インデックス投資の取り崩し方を解説|4%ルールで安心の資産運用

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はじめに

インデックス投資は、どんなときでも淡々と毎月 ドルコスト平均法 で積み立てるだけ。
初心者から上級者まで万人向けのシンプルな投資方法です。

しかし、最後に多くの人が悩むのが 「取り崩し方」 です。
せっかく積み立てた資産をどのタイミングで、どのくらい取り崩すのが正解なのでしょうか?

結論から言うと、代表的な方法は次の2つです。

  • 定額で取り崩す方法(4%ルール・定額版)
  • 定率で取り崩す方法(4%ルール・定率版)

どちらも「4%ルール」と呼ばれるため混同されがちですが、実は明確に違いがあります。


1. 定額で取り崩す「4%ルール(トリニティスタディ)」

概要

  • 引退時の資産総額から、毎年4%を定額で取り崩す方法
  • 取り崩す金額はインフレ率に応じて調整

研究の根拠

これはアメリカの「トリニティ大学」の研究(トリニティスタディ)で示された方法です。
資産配分は以下の条件で検証されました。

  • アメリカ株式 50%
  • アメリカ債券 50%

驚きの結果

「毎年4%ずつ取り崩すと、25年後に資産は枯渇するのでは?」と思いがちです。
しかし、シミュレーションでは 90%以上の確率で25年後も資産が残る どころか、むしろ増えているケースが多いのです。

👉 ポイントは、株式の成長が取り崩し額を上回ることが多いという点です。


2. 定率で取り崩す「4%ルール(ランダムウォーカー)」

概要

  • 毎年の資産残高に応じて、その年の4%を取り崩す方法
  • 取り崩し額は資産残高に連動して変動

著書での提案

これは名著『ウォール街のランダムウォーカー』(バートン・マルキール著)で紹介されている考え方です。

メリットとデメリット

  • ✅ 資産残高に応じるため、資産が尽きにくい
  • ✅ 市場が上昇すれば取り崩し額も増える
  • ❌ 市場が下落すると取り崩し額も減るため、生活水準が安定しにくい

👉 定率方式は「資産を使い切らない安心感」がある一方で、生活費が変動するリスクもあります。


3. どちらを選ぶべきか?

  • 生活費を安定させたい人 → 定額方式(トリニティスタディ)がおすすめ
  • 資産を枯渇させたくない人 → 定率方式(ランダムウォーカー)がおすすめ

実際には、この2つを組み合わせて柔軟に取り崩すのも有効です。


4. インデックス投資で取り崩す際の注意点

  • 資産配分は株式+債券のバランスが重要
  • 暴落時に取り崩し額を見直す柔軟性を持つ
  • 税金や手数料も考慮する必要がある

まとめ

  • インデックス投資は積み立てるだけでなく「取り崩し方」が大切
  • 代表的な方法は「定額方式(トリニティスタディ)」と「定率方式(ランダムウォーカー)」の2つ
  • どちらの方法も4%ルールと呼ばれるが、仕組みは明確に異なる
  • 自分のライフスタイルに合わせて「資産を守りながら使う」ことが大事

👉 投資は「増やす」だけでなく「使う段階」こそが本番。
正しい取り崩し方を知って、安心して豊かなリタイア生活を送りましょう。

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この記事を書いた人

20代でお金の知識ゼロからスタート。
40代に入りセミリタイヤ達成。
でもサラリーマン継続中。
普段は地方の工場で組立作業員として働きながら、FPとして日々活動しています。

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