年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給について解説

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どちらが得?あなたの老後プラン次第です

「年金を早くもらうか、遅くもらうか」――
これは、老後の生活設計を考えるうえでとても重要なテーマです。

この記事では、年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給の違いと注意点をわかりやすく解説します。


① 繰り上げ受給とは?

通常、年金は65歳から受け取りが始まりますが、
最大5年前の60歳から受給を開始できる制度があります。
これが「繰り上げ受給」です。


💡 メリット

  • 早くもらえるため、生活費の足しになる
  • 働けない・無収入の期間をカバーできる
  • 受給開始後すぐに現金が入るため安心感がある

⚠️ デメリット

  • 一度繰り上げると一生減額されたまま
  • 減額率は1か月ごとに0.4%(5年早めると24%減)
  • 長生きした場合、生涯でもらえる総額が少なくなる

📉 具体例

65歳で受給:月10万円
60歳で繰り上げ:月7万6,000円(24%減)

85歳まで生きた場合の総受給額は、

  • 65歳開始 → 約2,400万円
  • 60歳開始 → 約2,280万円

つまり、早くもらっても長生きすると損になる可能性があります。


② 繰り下げ受給とは?

逆に、65歳以降に受給開始を遅らせることを「繰り下げ受給」といいます。
現在は75歳まで繰り下げ可能です。


💡 メリット

  • 1か月遅らせるごとに0.7%増(最大84%アップ!)
  • 長生きするほど総受給額が増える
  • 生活に余裕がある人に向く

⚠️ デメリット

  • 受給開始まで無収入期間が長くなる
  • その間の生活費を「自分の貯蓄」で補う必要あり
  • 早く亡くなった場合、受け取れる額が少なくなる

📈 具体例

65歳で受給:月10万円
75歳で繰り下げ:月18万4,000円(+84%)

85歳まで生きた場合の総受給額は、

  • 65歳開始 → 約2,400万円
  • 75歳開始 → 約2,208万円

70代後半から長生きすればするほど“お得”になります。


③ どちらを選ぶべき?判断のポイント

タイプ向いている受給方法理由
早期退職・貯金が少ない繰り上げ受給生活費の確保を優先
長生き家系・健康に自信あり繰り下げ受給将来の受取額を重視
貯蓄に余裕がある繰り下げ+資産運用年金を増やしつつ運用益を得る
公的年金以外の収入がある繰り下げ受給受給開始を遅らせやすい

④ どん☆流アドバイス:「生涯現役」のマインドを持とう

年金をいつからもらうか――それも大切ですが、
もっと重要なのは「老後も収入を得られる力」を持つことです。

もし資産が少ないなら、

「引退」ではなく「働き方を変える」
という選択もあります。

たとえば、

  • 週3日のパート
  • 自宅でできる副業
  • 好きなことを小さく仕事にする

月に5万円でも10万円でも収入があるだけで、
生活の安心感はまったく違います。


⑤ 年金+働く+運用で“安心3本柱”をつくる

老後のお金の不安をなくすには、
「年金+労働収入+資産運用」の3本柱を意識しましょう。

項目ポイント
年金公的な最低限の収入源。受給タイミングを計画的に。
労働収入働けるうちは続けて“現役マインド”を保つ。
資産運用NISAなどで運用益を育てて将来の余裕資金に。

どれか一つでは不安定でも、
三本柱で支えれば、老後資金の土台は強固になります。


🧭 まとめ:年金は「もらい方」で人生が変わる

  • 繰り上げ受給は“今の生活重視”
  • 繰り下げ受給は“将来の安心重視”
  • 自分の健康・貯蓄・働き方に合わせて選ぶ
  • 生涯現役の気持ちが老後の不安を減らす

年金は「もらう」ものではなく、「設計する」もの。
未来の自分を守るために、今から準備を始めましょう。

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この記事を書いた人

20代でお金の知識ゼロからスタート。
40代に入りセミリタイヤ達成。
でもサラリーマン継続中。
普段は地方の工場で組立作業員として働きながら、FPとして日々活動しています。

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