今日は1冊の本を紹介します。
タイトルは――『株高不況。』著書:藤代宏一さん
最近、ニュースでも「株価が史上最高値を更新!」という話題をよく耳にしますよね。
でも、その一方で「給料は上がらない」「生活が苦しい」と感じている人がほとんどではないでしょうか。
この“株高なのに不況感”という不思議な現象。
それこそが、本書が指摘する「株高不況」の正体なのです。
株高なのに生活は苦しい、その理由
株価が上がっているのに家計が苦しい――
その落差の原因はどこにあるのでしょうか?
結論から言えば、
日本人が「インフレ(物価上昇)」に慣れていないから。
です。
30年続いた「デフレ体質」
日本はこの30年間、ずっと**デフレ(物価が上がらない)**の時代を生きてきました。
- 給料はほとんど横ばい
- 物価も上がらない
- 値下げ競争が当たり前
そんな環境に慣れきってしまっていたのです。
ところが、ここ数年の急激なインフレ(物価上昇)によって、
「こんなに値段って上がるの?」「生活が回らない…」と戸惑う人が続出しています。
本来、インフレ2%は“正常”な経済
実は、物価上昇(インフレ)は悪いことではありません。
国の経済を安定的に成長させるには、年2%程度のインフレが理想とされています。
なぜなら、
- 給料が上がりやすくなる
- 借金の実質負担が軽くなる
- 企業が投資しやすくなる
といった「経済の循環」が生まれるからです。
つまり、少しずつ物価が上がることは健全なことなんです。
ところが、今の日本は“急すぎるインフレ”
問題は、今の日本のインフレが想定を超える速さで起きていることです。
食品・日用品・電気代――
多くの生活必需品の価格は20〜40%も上昇しています。
たとえば、
- 食パン:130円 → 180円
- 牛乳:180円 → 240円
- 外食:ランチ800円 → 1,200円
数字にすると小さく見えても、家計全体で見るとかなりの負担です。
給料がほとんど変わらないまま、支出だけが増える。
これでは「株価が上がっても実感がない」と感じて当然です。
「不況」に感じるのは、心理的なギャップ
人の感覚は、“昨日より今日の方が厳しい”と感じるときに「不況だ」と判断します。
つまり、
- 物価が上がる
- 収入が変わらない
- 生活レベルが下がる
この3つが揃うと、株価がいくら上がっても不況感が強まるのです。
「株高不況」という言葉は、まさにこの心理的なギャップを表しています。
今後、賃金が追いつけば本当の好景気に
ただし、これは一時的な“ズレ”でもあります。
経済の流れとしては、
物価が上がる → 企業の利益が増える → 賃上げが行われる
という順番で波及していくため、時間差で給与も上がっていく可能性があります。
特に、2025年春闘でも5%の賃上げ方針が出ているように、
徐々に「賃金上昇」が現実味を帯びてきました。
この流れが定着すれば――
ようやく“本当の好景気”に突入する。
そう言える時代が来るかもしれません。
まとめ:インフレに“慣れる力”をつけよう
- 株価が上がっても生活が苦しいのは、インフレに慣れていないから
- 本来、2%程度のインフレは健全な経済
- 現在は急激な物価上昇で家計が圧迫されている
- 賃金上昇が追いつけば、真の好景気が訪れる
私たちは長い間、「物価が上がらない時代」を生きてきました。
だから今は、その“反動”を感じている段階です。
これからの時代に必要なのは、「お金を増やす力」と「インフレに対応する力」。
投資・節約・副業――
自分の生活を守る手段を少しずつ増やしていくことが、
これからの時代を生き抜くカギになるでしょう。



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