はじめに
退職金は多くの人にとって一生に一度の大金です。
「老後を安心して過ごすために増やしたい」と考えるのは自然なことですが、実際には退職金運用に失敗してしまう人も少なくありません。
なぜ失敗してしまうのか?
どれくらいの人が損をしてしまっているのか?
データや事例をもとに解説していきます。
1. 退職金運用を始める人の割合
アドバイザーナビの調査(2022〜2023年)によると、55歳以上の退職者の約47%が退職金を何らかの形で運用に回している という結果が出ています。
- 半数近くの人が「退職金を銀行預金だけに置かない」と答えている
- 投資先は株式・投資信託・外貨などさまざま
- しかし、金融知識が不十分なまま大金を投じているケースも多い
👉 つまり「退職金をきっかけに投資デビューする人」は珍しくないのです。
2. 退職金運用で損をしてしまう人の割合
「退職金運用の失敗談に関する調査」では、回答者の56.5%が「損をした経験がある」と回答しています。
具体的な失敗例は次の通りです。
- 相場の天井で一括投資してしまった
- 怪しい投資話に乗ってしまった
- 手数料の高い投資信託を勧められ、長期的に資産が目減りした
- 為替リスクを理解せずに外貨預金に大金を入れた
👉 半数以上の人が「退職金運用で失敗」しており、金額が大きい分ダメージも深刻です。
3. 初めての運用で失敗する理由
なぜ、退職金で初めて運用をする人が失敗してしまうのか?
(1) 金額が大きすぎる
数百万円〜数千万円のまとまったお金を「一度に投じる」こと自体がリスク。
少額投資と違い、失敗した時のリカバリーが難しくなります。
(2) 知識不足
- 「投資信託なら安全」
- 「外貨預金は円安になれば必ず儲かる」
などの思い込みで始めてしまう。
(3) 営業マン任せ
銀行や証券会社から勧められる商品にそのまま乗ってしまう。
→ 高手数料商品や毎月分配型投資信託を買わされることが多い。
※「毎月分配型」と聞いたらすぐに罠銘柄だ!!と注意しましょう。
(4) メンタル耐性の不足
相場が下がると怖くなって売却 → 損失確定。
投資経験が浅い人ほど「長期で待つ」ことができない。
4. 老後資金を守るための投資の考え方
退職金は「増やすお金」ではなく 「守るお金」 です。
これを理解せず「一発逆転」を狙うと危険です。
- 生活費の数年分は現金で確保
- 残りを分散して投資(株式・債券・REITなど)
- インデックスファンド中心に長期運用
- 一括ではなく分割投資(ドルコスト平均法)
👉 特に「退職金で初めて投資をする人」は、いきなり全額投資するのは避けましょう。
5. 退職前から少額で投資を始めるべき理由
本当に大切なのは、「退職してから始める」のではなく 現役世代から少額で経験を積むこと。
- 少額なら失敗してもリカバリーが可能
- 相場の上下を経験して「メンタル耐性」がつく
- 手数料・商品選びの勘所が分かる
- 退職金を運用する頃には「自分の投資スタイル」が確立している
👉 だからこそ、20代・30代・40代のうちから「NISA」「iDeCo」などを活用し、経験を積むことが最良の老後対策になります。
まとめ
- 退職金で運用を始める人は 約47%
- そのうち 半数以上(56.5%)が損失を経験
- 失敗の原因は「一括投資」「知識不足」「営業マン任せ」など
- 老後資金は「増やす」より「守る」意識が大切
- 現役世代から少額投資を始めて経験を積むことが、最も安全な老後対策
👉 「退職金から投資を始める」のはリスクが高い。
今から少しずつ投資に慣れておくことが、未来の安心につながります。


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