「リスキリング(学び直し)」がビジネスのキーワードになっていますが、実は日本の社会人は学習時間が少ないという厳しい現実があります。
今回は、OECDなどの公式データをもとに、現状と「少しずつでも毎日学ぶ」ことの重要性をわかりやすく解説します。
※OECD(経済協力開発機構、Organisation for Economic Co-operation and Development)は、世界の先進38か国が加盟する国際機関です。
学習時間とリスキリングの現実 5選
結論、次の5つとなります。
1️⃣ 日本人の学び直し(リカレント教育)の参加率の低さ
OECDがまとめた「Education at a Glance 2017」によると、25〜64歳の社会人が大学・大学院で学んでいる割合は、なんとわずか2.4%。
これは、OECD平均(11%)やアメリカ(14%)、イギリス(16%)に比べて圧倒的な低水準です 。
つまり、社会人が大学などで学び直しをする文化が根付いていないのが現状です。
2️⃣ 「ほぼ勉強ゼロ」に近い?日本の社会人の平均学習時間
民間調査によると、フルタイムの社員は週にたった24分(=1日約3.5分)しか学びに充てていないという驚きの調査結果もあります 。※note.comより
OECD平均と比べても明らかに少なく、多くの社会人が「学ぶ時間をとれていない」状況が浮き彫りです。
1日数分でも継続すればそれは立派な学習で、当然、平均以上の取り組みと評価できます。
3️⃣ 長時間労働と、自分時間の乏しさが要因
OECDの統計によると、日本は年間労働時間が約1,600〜1,700時間とG7の中でも多め 。
そのため、プライベートには自由な時間を確保できず、学びが後回しになってしまう構造があります。
- 長時間労働文化により、学ぶ時間が確保しにくい
- 学び直しできる制度・機会へのアクセスが乏しい
- 「忙しい」 を言い訳に、継続学習を習慣化できていない
4️⃣ リスキリングの重要性が高まっている理由
- AI・DX時代において、仕事の在り方が大きく変化している
- OECDでは、日本で15~39%の職務が重大な変化に直面すると警鐘が鳴っています 。
- 少子高齢化に伴う社会構造の変化に対応する必要があるから
- 企業にとっても従業員の学習機会の拡充が生産性アップに直結するから
- 国も「成人のスキル再構築(リスキリング)」による労働力強化を課題にしている 。
つまり、学び続ける能力が今後のキャリアの分かれ道となるのは間違いありません。
「学び続ける人」と「止まってしまう人」で、将来のキャリアと人生は大きく差がついていきます。
5️⃣ 毎日「少しの勉強」で得られる変化
たとえ1日10分でも「学習の習慣化」を目指すことで、以下の効果が得られます:
- 継続力がつく:習慣化し始めると成長意欲が定着する
- モチベーションが高まりやすい:数分でも進歩があれば「次も続けよう」となる
- 総学習時間が積み上がる:1日10分なら、年間3,600分=60時間超
✅ まとめ:今から「1日10分学習」を始めよう。それだけで平均以上になれる
現状 | 日本 | 他国 |
---|---|---|
リカレント(繰り返し)教育参加率 | 2.4% | 平均11%、米14%、英16% |
平均週学習時間 | 約0.4時間(約24分=3.5分/日) | 平均5.6時間(約336分=48分/日) |
日本の社会人は、OECD平均と比べて「学ぶ時間」が非常に少ない状態です。しかしその分、伸びしろが大きいとも言えます。
1日10分の学び習慣が、未来のキャリアを確実に守り、人生を豊かにしてくれます。
「勉強しなきゃ」と思いながら何もしていない人は、今すぐ1日3〜5分の学習時間でもよいので、スケジュールに組み込んでみてください。
それだけであなたのキャリアと人生は確実に変わり始めます。
🧭 もし「何を学ぶべきか」迷うなら…
- ITリテラシー、データ分析
- 語学、コミュニケーション力
- マネジメント、ファイナンス
など、今の仕事や未来に活きるテーマから始めるのがおすすめです。
本業にもすぐに生きるので、スキルアップした実感が得やすいです。


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