50歳までは「増やす投資」。
しかし50歳を過ぎると、そろそろ「減らさない投資」を考える時期です。
「老後が近づいてきたけど、投資はこのままでいいのか?」
「そろそろリスクを抑えたいけど、何をどう変えればいいのか分からない」
今回は、そんな50代からの資産運用の「シフト」の考え方について、わかりやすく解説します。
■ なぜ50代から資産配分を見直す必要があるのか?
資産運用には「攻め」と「守り」があります。
- 30代・40代:収入があるので多少の下落には耐えられる → リスクを取って「増やす」
- 50代以降 :退職が視野に入り、資産の取り崩しも考慮 → リスクを減らして「守る」
つまり、「暴落しても取り戻せる年齢」を過ぎたら、資産を守る運用に徐々に切り替えていくことが合理的です。
■ 50代からの資産シフト「2つの基本」
① 株式→債券への配分調整
若いうちは株式100%でもOKですが、50歳以降はリスク資産(株式)を徐々に減らし、債券の比率を増やすのがセオリーです。
たとえば:
- 50歳時点:株式70% / 債券30%
- 55歳時点:株式50% / 債券50%
- 60歳時点:株式30% / 債券70%
このように数年かけて段階的に配分を変えることで、無理のないリスク低減ができます。
② リスクの高い商品は整理する
高リスク・高リターンの個別株や新興国株、テーマ型ファンドなどは、値動きが激しいため50代以降は注意が必要です。
必要に応じて利益を確定して整理し、安定型(インデックス型・債券型)ファンドに移行するのが良いでしょう。
■ 資産シフトに役立つ商品とは?
50代以降の「守りの運用」では、以下のような商品が有力です。
商品名 | 特徴 | メリット |
---|---|---|
国内債券インデックスファンド | 値動きが小さい | 安定性が高い |
米国債券ETF(例:AGG) | 米国の国債に分散投資 | 為替リスクはあるが高格付け |
バランスファンド | 複数資産に分散投資 | リバランス不要で手間が少ない |
MMF(マネーマーケットファンド) | 元本割れのリスクが低い | 万が一の資金として安心 |
■ 「資産を守る」=全部現金化ではない
ここで勘違いしがちなのが、「リスクを減らす=投資をやめる」ではないという点。
確かに、定年退職前後にリスク資産が大暴落したら精神的にも厳しいですよね。でも、全部を現金に変えてしまうと、インフレに弱くなってしまいます。
インフレ率が2%で、利息が0.01%なら、実質的には「お金が目減り」している状態です。
だからこそ、株式も一部持ち続けながら、徐々に安全資産にシフトするという「バランス」が重要です。
■ まとめ:50代からの資産シフトで、将来の安心をつくる
ポイント | 内容 |
---|---|
見直しのタイミング | 50代からが目安(早めに動けば安心) |
シフト方法 | 株式→債券へ段階的に資産配分を変更 |
投資継続 | 一部株式を持ち続けてインフレ対策も |
資産運用は、単に「増やす」だけでなく、「守る」ことも大切です。
50代は、これまで育ててきた資産を安全に運用し、老後の安心に繋げていく大事なステージです。
焦らず、しかし確実に資産のフェーズを移行していきましょう。

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