債券とは?金利と価格の関係をわかりやすく解説|金利上昇局面での注意点も紹介

この記事は約 8 分で読めます
目次

1. 債券とは?

債券とは、国や企業が資金を調達するために発行する借用証書のことです。
投資家が債券を買う=発行体(国や企業)にお金を貸す、という仕組みになります。

  • 国債:国が発行する(安全性が高い)
  • 社債:企業が発行する(リスクはあるが利回りが高い場合も)
  • 地方債:自治体が発行する

投資家は、債券を保有することで 利息(クーポン) を受け取り、満期時に元本が返ってきます。


2. 金利と債券価格の関係

債券を理解するうえで最も重要なのは、金利と債券価格が逆の動きをするということです。

(1) 金利が上がると債券価格は下がる

  • 新しく発行される債券の利率が高くなる
  • 以前の低利回り債券は魅力が下がる   → そのため市場価格が下落する

(2) 金利が下がると債券価格は上がる

  • 新しい債券の利率が低くなる
  • 過去の高利回り債券の価値が上がる   → 市場価格が上昇する

👉 「金利と債券価格はシーソーの関係」と覚えるとわかりやすいです。


3. 債券の種類と利回りの特徴

  • 短期債(1年未満):利回りは低いが、価格変動も小さい
  • 中期債(2〜10年):リスクとリターンのバランス型
  • 長期債(20〜30年):利回りは高いが、価格変動リスクも大きい

また、発行体によってリスク水準が異なります:

  • 国債 → 信用リスクがほぼゼロ(デフォルトしにくい)
  • 社債 → 発行企業の経営状況に左右される
  • ハイイールド債 → 利回りは高いが、信用リスクも高い

4. なぜ国債は「安定資産」と呼ばれるのか?

  • 信用度の高い発行体(国)が保証    → 信用リスクが低い
  • 利息が定期的に支払われる       → キャッシュフローの安定
  • 株式に比べて値動きが小さい      → 分散投資に向く
  • 満期まで持ち続ければ、発行時の条件通り 元本+利息 が得られる →ほぼ元本割れ無し

ただし「安定資産=必ず安全」ではなく、金利や信用リスクによる変動も理解しておく必要があります。


5. 金利上昇局面で債券に投資するときの注意点

近年のように金利が上昇する局面では、債券投資に特有のリスクが顕在化します。

(1) 債券価格が下落する

金利が上がると、既存の債券価格は下がります。
特に長期債ほど価格変動が大きいため、含み損を抱える可能性があります。

(2) 満期保有なら問題なし

途中で売却せず満期まで持ち続ければ、発行時の条件通り 元本+利息 が得られます。
👉 「途中売却するかどうか」でリスクが大きく変わります。

(3) 再投資リスクと機会損失

  • 金利上昇後に新発債を買えば、より高い利回りを得られる
  • 逆に金利が上昇する前に長期債を買ってしまうと「今はもっと高い利回りがあるのに」となる

6. まとめ

  • 債券とは、国や企業にお金を貸す仕組みで、利息収入を得られる金融商品
  • 金利と債券価格は逆の関係にあり、シーソーのように動く
  • 安定資産と呼ばれるが、金利上昇局面では価格下落リスクに注意
  • 満期まで保有するか、分散してリスクを抑えるのがポイント

👉 投資初心者はまず「仕組みを理解すること」から。
その上で、インデックス投資など株式と組み合わせて、安定と成長を両立するポートフォリオを組むのが賢い戦略です。


あわせて読みたい
20代がやりがちな投資の失敗例トップ5|初心者が避けるべき落とし穴 はじめに 「投資を始めてみたいけど失敗しないか不安…」そんな20代初心者の方は多いはずです。 投資は正しい知識を持てば怖くありませんが、最初に間違った行動をすると...
あわせて読みたい
【保存版】高配当株投資のやり方と「財務優良企業」の見分け方 結論 Yahoo!ファイナンスで「配当利回り(会社予想)」ランキングから候補を出す IRバンクで候補銘柄の財務10項目をチェック 罠(タコ足分配・一時要因・過度な割高)を...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

20代でお金の知識ゼロからスタート。
40代に入りセミリタイヤ達成。
でもサラリーマン継続中。
普段は地方の工場で組立作業員として働きながら、FPとして日々活動しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次