はじめに
長く続いてきた超低金利時代が、少しずつ終わりを迎えようとしています。
先日行われた日本銀行の政策会合では、金利の据え置きが発表されましたが、
同時に日銀が保有しているETF(上場投資信託)を売却するというサプライズ発表もありました。
これは「金融政策の転換点」を示す小さなサインかもしれません。
日銀がETFを売却?その意味とは
これまで日銀は長年にわたってETFを大量に買い支え、
日本の株式市場を下支えしてきました。
しかし今回、「少しずつ売っていく」という方針を打ち出したことで、
いよいよ“金融緩和からの出口”が意識され始めました。
売却量自体はごくわずかですが、
「これからは市場の力で株価を維持していく方向へ」というメッセージ性は大きいと考えられます。
金利は据え置き、でも流れは“金利のある世界”へ
今回は政策金利の据え置きとなりましたが、
市場全体を見れば、少しずつ金利がある世界への移行が進んでいます。
長期金利はじわじわと上昇し、住宅ローン金利や企業の借入コストにも影響が出ています。
これまで「お金を借りてもほぼ金利がかからない」時代から、
「お金にはコストがある」時代に変わりつつあるのです。

なぜ政府は“インフレ”を起こしたかったのか
そもそも、政府と日銀が長年目指してきたのは 2%程度のインフレ です。
なぜなら、ほどよいインフレは経済を活性化させるから。
- 物価が上がる → 企業の売上・利益が増える
- 給料も上がりやすくなる
- お金を使う動きが広がる
このような“健全なインフレ”を起こすことで、
デフレ(物価が下がり続ける)による停滞から脱却しようとしているのです。
つまり今後は、「インフレは起こる前提」で資産形成を考える時代です。
貯金だけに頼らず、投資などでお金の価値を守ることがより重要になります。
政治の変化と市場の反応
今回、石破首相が辞任し、高市さんが次期候補に選ばれたというニュースもありました。
政治のリーダー交代は経済政策の方向性を左右するため、
市場にとっても大きな関心事です。
実際、発表後には日経平均株価が大幅に上昇。
「新たな経済政策への期待感」や「改革路線の継続」が好感されたとみられます。
これまでの日本市場は、世界と比べて低金利・低インフレでしたが、
ここからは「金利がある」「インフレが起こる」「株価も動く」――
そんな変化の時代に突入しています。
投資家としてどう考えるべきか
金利が上がると、一見ネガティブに感じる人も多いかもしれません。
しかし、それは「お金の動きが正常化している」サインでもあります。
- 預金金利が上がれば、現金にも利息がつく
- 株式市場は金利上昇を織り込みながら、より実力重視に
- 債券や定期預金も再び投資対象として魅力を取り戻す
つまり、これからは「お金の居場所を選ぶ力」が問われる時代です。
まとめ:金利がある世界で考える、新しい資産形成
- 日銀はETF売却で「金融緩和からの転換」を示唆
- 政府の狙いは“2%のインフレ”による経済活性化
- 「金利がある世界」に向けて、資産運用の重要性が高まる
これまでのように「貯金していれば安心」という時代は終わりつつあります。
これからは、お金の価値を守る=投資でインフレに備えることが必要です。
金利のある世界は、言い換えれば「お金が再び働く時代」。
この変化をチャンスと捉え、柔軟に対応していきましょう。


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